2018/04/09
ここでは、ゲームオブスローンズの主要人物の一人、ジョン・スノウについて書いていきます。
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ゲームオブスローンズ開始時点でのジョン・スノウ
ジョン・スノウの父親は北部総督エダード・スターク。母親は不明。
エダード・スタークが「ロバートの反乱」に従軍し、北部を離れて戦争に明け暮れ、一年後に赤子であったジョンスノウを連れてウィンターフェル城に戻ってきました。
ジョン・スノウは北部総督エダード・スタークの落とし子(婚姻関係にない女性との間にできた子・婚外子)として、ウィンター・フェル城で育ちます。
エダード・スタークの奥方であるキャトリン・タリーからは、目の敵にされて育ち、人質であるシオン・グレイジョイからも「出来損ない」と馬鹿にされます。
父エダード・スタークの奥方キャトリン・タリーとの関係
父であるエダード・スタークの奥方、キャトリン・タリーとジョン・スノウは血縁関係がありません。
キャトリン・タリーにしてみれば、婚約し、第一子ロブ・スタークを身ごもり、出産する中で、夫エダード・スタークが親友ロバート・バラシオン、岳父ジョン・アリンと共に王国に対するいつ終わるともわからぬ、成功するかもわからぬ、生きるか死ぬかもわからぬ反乱に身を投じて、ウィンターフェル城に乳飲み子と共に置き去りにされ、約1年後に夫がようやく生きて帰ってきたかと思ったら、どこの馬の骨とも知らない他所の女との間にできた赤子ジョン・スノウを連れ帰ってきたわけです。
妊娠出産育児期間中に、長期出張していた夫が婚外子を連れて帰ってきて、うちで育てるというわけですから、庶民の家庭なら崩壊でしょう。しかも、だれとの間の子なのかを一切言わない。「耐えられない。耐えられないわネッド!」と恨み言を言っても、「耐えるんだ。冬来(きた)る、だ。」としか言わない。
キャトリン・タリーは奥方である立場上、夫の願いを聞き入れてジョン・スノウを養育しますが、嫌い抜いていました。
ジョン・スノウがスターク姓を名乗れず【スノウ】姓の理由
ゲームオブスローンズの世界では、落とし子は父親の姓を名乗れません。
ですから、ジョン・スノウはジョン・スタークと名乗ることができず、ジョン・スノウという名乗りになります。
七王国では地方ごとに落とし子の姓に違いがあり、北部はスノウ姓(ルース・ボルトンの落とし子ラムジー・スノウ)、南部ドーンではサンド姓が落とし子の姓となります。
父エダード・スタークの口から明かされなかった母親
北部総督エダード・スタークの子として育てらながら、落とし子として差別され、相続も期待できない境遇の中で、ジョン・スノウはナイツウォッチである叔父ベンジェン・スタークのように、壁を守るナイツウォッチになることを決意し、ウィンターフェルを離れます。
ナイツウォッチになることは、家族を捨て、身分を捨て、不犯の誓いをし、将来妻子を持つこともできず、俗世を離れ、一生を過酷な環境に身を置き、壁の向こうの存在から命を賭けて七王国を守る、という途方もないものです。
エダード・スタークとの別れ際に、ジョン・スノウは
「ナイツウォッチになることは名誉だ。」
「我々スタークは大昔から壁を見張ってきた。」
「お前もスタークだ。その名はなくても、血は流れている。」
という言葉を父エダード・スタークからかけられます。それに対して、ジョン・スノウは
「母は生きていますか」
「母は私の行方を知っていますか。気に掛けますか」
と問います。
落とし子であるジョン・スノウは、母親が誰なのか、生きているのか死んでいるのかも分かりません。自分のことを気にかけてくれているのかも。
もちろん、それを知っている唯一の人間は、父であるエダード・スタークしかいません。
しかし、父エダード・スタークはそれに答えることなく、
「今度会ったら話そう」
と濁して、2人は別れます。
どれだけ水を向けられても、母の名を明かさないエダード・スターク
王の手に就任し、王の道を通って王都キングズランディングへ向かう道すがら、王であり親友であるロバート・バラシオンも、ジョン・スノウの母親について聞きます。
あれだけ謹直なエダード・スタークに名誉を忘れ去れるとは、いったいどういう女なんだ。
という口調で酒交じりに聞きますが、平民の女だと答えるのみで、エダード・スタークは母の名を明かしません。
【注意】ここから壮大なネタバレ
ここからはゲームオブスローンズのネタバレを含んでいます。
まだ見ていない方はバックしていただくか、シーズン6の最後までゲームオブスローンズを観ていただくことをお勧めします。
妹リアナ・スタークから告げられる衝撃の事実
話が過去に戻りますが、エダード・スタークが身を投じた「ロバート反乱」は王家のエイリス・ターガリエン王と、レイガー・ターガリエン王子に対するエダード・スターク、ロバート・バラシオン、ジョン・アリンの反乱です。
事の起こりは、王子レイガー・ターガリエンと、ロバート・バラシオンの婚約者であったリアナ・スターク(エダード・スタークの妹)が失踪します。
この失踪を「王子レイガー・ターガリエンがリアナ・スタークに横恋慕し、誘拐した」と解釈し、リアナ・スタークの父であり北部総督のリカード・スターク(エダード・スターク、リアナ・スタークの父)と、その嫡子ブランドン・スターク(エダード・スターク、リアナ・スタークの兄)は狂王エイリス・ターガリエン2世に対して抗議しますが、狂王エイリス・ターガリエン2世は、リカード・スタークとブランドン・スタークを王都キングズランディングに呼び出し、火あぶりの刑にて処刑ました。そして、ジョン・アリンに対して、ジョン・アリンの手元に居るエダード・スタークとロバート・バラシオンを殺すよう命じます。
この暴挙により、ジョン・アリンは反乱を決意し、父と兄を殺されたエダード・スターク、婚約者を連れ去れたロバート・バラシオンを味方につけ、タリー家とも同盟を結び、王国に対して反乱を起こすことになりました。
王子レイガー・ターガリエンはロバート・バラシオンとの戦いで討死(トライデント河の戦い)し、エダード・スタークはドーンの喜びの塔へ向かい、妹リアナ・スタークを救出に向かいました。
そこでエダード・スタークは妹リアナ・スタークを見つけ出しますが、リアナ・スタークから衝撃的な事実を打ち明けられます。
「レイガー・ターガリエンとリアナ・スタークは愛し合っていたこと。」
王子レイガー・ターガリエンに誘拐されたと思われていた事件が、じつは相思相愛の王子レイガー・ターガリエンとリアナ・スタークによる駆け落ちだったのです。
王子と妹の純粋で身勝手な愛が、狂王による父と兄の処刑につながり、自分と婚約者、その岳父を反乱へと駆り立て、王子は死に、王と王国の崩壊にもつながったのです。
そしてベッドに横たわるリアナ・スタークは血まみれで、死にかけていました。
死ぬなと手を握る兄に、私のことはもういいの、でもひとつだけ、と頼み事をしました。
「あの子(エイゴン)を守って。」
リアナ・スタークは王子レイガー・ターガリエンの子を身ごもり、出産していたのです。そして、その子を守ることを兄に依頼し、約束させると、死にました。
その赤子こそ、ジョン・スノウなのです。
つまり、ジョン・スノウはエダード・スタークと不明女性(平民)の間の子ではなく、
王子レイガー・ターガリエンとリアナ・スタークの子だったのです。
エダード・スタークは妹の忘れ形見エイゴンを、自らの私生児ジョン・スノウとして北部へ連れ帰り、育て上げます。
つまり、エダード・スタークは、自分の名誉を投げ打ってでも、妹の子を守ったのです。甥であり、妹の子ではありますが、父と兄を殺した男(狂王)の孫でもあります。
しかも、だれにも言わず、知られず。
まさにエダード・スタークは漢の中の漢です。
ジョン・スノウはエイゴン・サンドではなくエイゴン・ターガリエン
リアナ・スタークが死亡したことにより、王位を簒奪したロバート・バラシオンのターガリエン家に対する復讐心はすさまじいものになっていました。
ターガリエン家を見捨てロバート・バラシオン側についたラニスター家によって、王子レイガー・ターガリエンの王妃エリア・マーテルとその子らは虐殺されます。
ターガリエン家の本拠地であるドラゴンストーン城は攻め落とされ、狂王エイリス・ターガリエンの次子ヴィセーリス・ターガリエンと生まれたばかりの娘デナーリス・ターガリエンはナローシーを渡りウェスタロスを離れます。
エダード・スタークは妹リアナ・スタークとの約束を果たし、甥を守るため自らの落とし子ジョン・スノウとして育てるのです。
王子レイガー・ターガリエンとリアナ・スタークの子ではあるものの、王子レイガー・ターガリエンはエリア・マーテルと婚約していた(もちろん子もいる)ため、婚外子であるエイゴン(ジョン・スノウ)はエイガー・ターガリエンの落とし子です。
落とし子であるため、南部生まれのジョン・スノウはエイゴン・サンドです。
しかし、実は、レイガー・ターガリエンは妃エリア・マーテルと離縁したうえで、秘密裏に、しかし正式にレイガー・ターガリエンとリアナ・スタークは婚約していました。
したがって、ジョン・スノウは落とし子ではなく、レイガー・ターガリエンとリアナ・スタークの嫡出子エイゴン・ターガリエンだったのです。