2018/04/09
鉄の玉座(アイアン・スローン)に最もふさわしいのは誰か【中編】 ゲームオブスローンズ考察
の続き
前回に引き続き、ゲームオブスローンズの物語において鉄の玉座(アイアンスローン)にふさわしい人物を考えます。
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【注意】ここから壮大なネタバレ
ここからはゲームオブスローンズのネタバレを含んでいます。
まだ見ていない方はバックしていただくか、シーズン8までゲームオブスローンズを観ていただくことをお勧めします。
「五王の戦い」後の王たち
七王国の王であるロバート・バラシオン1世が死に、その子ジョフリー・バラシオンが王として即位し、王の手エダード・スタークが処刑されると、ジョフリー・バラシオンを七王国の王と認めない者たちが、それぞれ王を自称し5人の王の戦い、すなわち『五王の戦い』が発生しましたが、5人の王は相次いで死亡します。
七王国の王 トメン・バラシオン
トメン・バラシオン 画像引用元:https://amzn.to/2HP3XDM
トメン・バラシオンは、ロバート・バラシオン1世とサーセイ・ラニスターの次子(実際はジェイミー・ラニスターの子)で、前王ジョフリー・バラシオンの弟です。
ジョフリー・バラシオン王の暗殺により、王位を継ぎます。
トメン・バラシオンの治世
兄ジョフリー・バラシオン王が、結婚式で暗殺されると、その後を襲い即位。兄と結婚する予定だったマージェリー・タイレルと結婚し、タイレル家と婚姻関係で結ばれます。
北の王ロブ・スタークは既に亡く、ベイロン・グレイジョイも鉄諸島に敗退、北部はラニスター家寄りのルース・ボルトンが治め、リバーランドもラニスター家寄りのウォルダー・フレイが統治、ラニスター家の祖父タイウィン・ラニスターが王の手となり、ドーンのマーテル家とは姉のミアセラ・ラニスターが嫁いでいて縁戚関係、叔父スタニス・バラシオンが壁に駐屯し時期をうかがっている、と言う状態から統治がスタートします。
実兄の毒殺というショッキングな出来事からスタートしますが、即位時点では恵まれた統治環境にありました。
しかし、その後もショッキングな出来事が続きます。
叔父ティリオン・ラニスターの裁判と祖父タイウィン・ラニスターの死
叔父ティリオン・ラニスターが前王ジョフリー・バラシオン殺害容疑で裁判となり、決闘裁判となります。
ティリオン・ラニスターの擁護者として戦ったオベリン・マーテルが敗死するとマーテル家(というよりサンドスネークス)の怒りを買います。
また王の盾総帥である叔父ジェイミー・ラニスターの手引きで叔父ティリオン・ラニスターは逃亡し、祖父であり王の手タイウィン・ラニスターが殺害されます。
タイウィン・ラニスターの死とボルトン家の離反
タイウィン・ラニスターを失ったことにより、北部総督のボルトン家が少しずつ離反していきます。ラムジー・スノウをボルトン家嫡出であるとの勅令を出しますが、ボルトン家はラニスター家にとって仇敵であるサンサ・スタークを匿い、婚約し、北部掌握を目指します。
叔父スタニス・バラシオンの死
ジョフリー・バラシオン、トメン・バラシオンの王位を認めない叔父のスタニス・バラシオンは、北部ウィンターフェル城にてボルトン家と戦い、戦死します。
王妃マージェリー・タイレルと太后サーセイ・ラニスターの確執と七神正教の増長
王妃マージェリー・タイレルと太后サーセイ・ラニスターの確執がエスカレートしていく中で、ハイセプトンに就任したハイスパロー率いる七神正教の力が増大して行き、聖兵という軍事力まで保持し、王権に従わなくなります。
姉ミアセラ・バラシオンの毒殺
ジェイミー・ラニスターが救出に向かいますが、姉ミアセラ・バラシオンはエラリア・サンドによって毒殺されます。
ジョン・スノウの北部奪還と北の王推戴
ナイツウォッチ総帥でスターク家の落とし子ジョン・スノウが、ラムジー・ボルトンを降しウィンターフェル城を奪還、北部諸侯に推戴され、北の王を自称します。
デナーリス・ターガリエンのドラゴンストーン城帰還
エッソスに亡命していたデナーリス・ターガリエンがドスラク人、アンサリード(穢れ無き軍隊)、3匹のドラゴンを引き連れてドラゴンストーン城に帰還します。
ワイルドファイアによる爆破
母である太后サーセイ・ラニスターが、ベイラー大聖堂に集まったハイスパロー、セプトンやセプタ、聖兵、七神正教の信者たち、王妃マージェリー・タイレル、ケヴァン・ラニスター、メイス・タイレル、ロラス・タイレルらをワイルドファイアで焼き払います。
飛び降り自殺を図り死亡します。
鉄の玉座(アイアンスローン)とトメン・バラシオンとの関係
トメン・バラシオンは系図上はロバート・バラシオンの子ですが、実際はジェイミー・ラニスターの子です。
嵐の申し子 ドラゴンの母 デナーリス・ターガリエン
デナーリス・ターガリエン 画像引用元:https://amzn.to/2HP3XDM
デナーリス・ターガリエンは、ターガリエン家最後の王であるエイリス・ターガリエン2世の娘です。
狂王の娘 最後のターガリエン
ロバートの反乱の際、王都キングズランディングを離れ、ドラゴンストーン城にうつった王妃レイラ・ターガリエンが命と引き換えに出産します。
その後兄ヴィセーリス・ターガリエンと共にエッソスに亡命します。
エッソスで力をつけるドラゴンの母
当初は、ヴィセーリス・ターガリエンがドスラク人を味方につけるための政略結婚の駒に過ぎませんでしたが、次第に冷酷な指導者、統治者として成長して行き、力を付けていきます。
ドスラク人の女王となり、3匹のドラゴンの母となり、クァースの富を収奪し、穢れ無き軍隊を従え、傭兵セカンドサンズを抱え、奴隷商人湾のアスタポア、ユンカイを従え、ミーリーンに君臨します。
親方たちの船と、ヤーラ・グレイジョイ率いる鉄水軍を従え、ウェスタロスに帰還します。
ドラゴンストーン城に帰還後
ドラゴンストーン城に帰還後、王の手ティリオン・ラニスターの進言を容れて、エッソスの兵力ではなく、ウェスタロスの兵力を使用して王都キングズランディング陥落させることにします。
鉄水軍、オレナ・レッドワイン、エラリア・サンドと結び、アンサリードにはキャスタリーロックを攻めさせますが、鉄水軍とエラリア・サンドは、ユーロン・グレイジョイによって壊滅、ハイガーデン城はジェイミー・ラニスターに攻められて壊滅します。
北の王ジョン・スノウのドラゴンストーン城滞留およびドラゴングラス採掘を許可し、ドスラクの軍勢とドラゴンを従えてジェイミー・ラニスター率いるラニスター軍を壊滅させ、服従を拒んだランディル・ターリー、ディコン・ターリー親子を処刑します。
北の王ジョン・スノウの死の軍団との戦いに協力します。
亡者を捕獲するため壁の北に行ったジョン・スノウ一行を救出しますが、ドラゴンのヴィセーリオンを失います。
サーセイ・ラニスターとの会談に臨み、一時休戦し、死の軍団と戦うためにウィンターフェル城へ向かいます。
デナーリス・ターガリエンはジョン・スノウを愛しており、関係を持ちます。
最終章におけるデナーリス・ターガリエン
ウィンターフェル城では歓迎されませんが、ジョン・スノウのために死の軍団と戦い、アンサリード、ドスラク人を多く失います。ジョラー・モーモントも戦死します。
死の軍団との戦いは、直接的には全くもってデナーリス・ターガリエンに関係のない戦いでしたが、ただジョン・スノウを愛したがために多くの犠牲を払いました。デナーリス・ターガリエンの協力が無ければ、ジョン・スノウは死の軍団に勝つことはできなかったでしょう。
しかし、ジョン・スノウの正体を知り、それが徐々に公になっていく中で、鉄の玉座の継承権が揺らぎ始めます。また、甥と叔母の関係であることをしったジョン・スノウは、デナーリス・ターガリエンと関係を持つことを拒みます。
海路でドラゴンストーン城に帰還する際にユーロン・グレイジョイの奇襲を受け、ドラゴンのレイガルを失い、ミッサンディを捕虜にされます。
サーセイ・ラニスターに降伏勧告するも拒否され、捕虜となっていたミッサンディが処刑されます。
王の道を通ってきた軍勢とジョン・スノウと合流し、王都キングズランディングを攻撃し、これを壊滅します。
鉄の玉座前でジョン・スノウに刺殺されます。
デナーリス・ターガリエンのここが惜しかった
どことなく苛烈な性格を持つデナーリス・ターガリエンは、統治者としての資質に疑問を抱かれ続けてきました。
優秀な補佐役だったバリスタン・セルミーを失うと、徐々に歯止めが利かなくなり、ジョラー・モーモントが戦死し、諌止したヴァリスを処刑すると、だれの意見も耳に入らなくなります。
さらには、ドラゴンのレイガル、ミッサンディをサーセイ・ラニスター側に殺されると、容赦がなくなり、降伏した王都キングズランディングを無差別に焼き払い、兵士も住民も見境なく虐殺します。
見かねた王の手ティリオン・ラニスターは王の手を辞して投獄され、ついにはジョン・スノウにより殺されます。
最後の最後で寛容になることができず、恨みを晴らすために王都を焼き尽くしたデナーリス・ターガリエンのもたらす世界は、人々のためにならないと判断されてしまいました。
王都が鐘を鳴らして降伏した時に攻撃を止めておけば、素晴らしい統治者になったかもしれません。
鉄の玉座(アイアンスローン)とデナーリス・ターガリエンとの関係
鉄の玉座は、ターガリエン家の王の椅子です。最後の王であったエイリス・ターガリエン2世の娘であり、兄二人がすでに死んでいる以上、デナーリス・ターガリエンが正統な鉄の玉座の後継者でした。
ジョン・スノウの正体を知るまでは。