2018/04/09
父エダード・スタークが、王都キングズランディングにて捕縛されたことを知り、長男ロブ・スタークは行動を開始します。
ここでは、ロブ・スタークの失敗の原因と、どうすればよかったのかを考えます。
盛大にネタバレを含みますので、バックしていただくか、シーズン3まで観てからお願いします。
sponsored link
ロブ・スタークは挙兵しなければよかったのでは?
エダード・スタークを捕縛した王妃サーセイ・ラニスターにとって、手付かずの北部諸侯と、北部ウィンターフェル城に居るロブ・スタークの動向は気がかりでした。
なので、サーセイ・ラニスターは手元に居るサンサ・スタークに指示し、ロブ・スタークが挙兵しないよう説得させます。
ここで、ロブ・スタークは父エダード・スタークの奪還のために挙兵しますが、もし挙兵しなかったらどうなっていたでしょうか。
王妃サーセイ・ラニスターの要求通り、挙兵せず、単身で王都キングズランディングに赴き、新王ジョフリー・バラシオンに忠誠を誓う。
そうすれば、父エダード・スタークは助命の上壁送り、サンサ・スターク、アリア・スタークも無事、ロブ・スタークも北部総督の地位を認められたかもしれません。
レンリー・バラシオンとスタニス・バラシオンが挙兵しているため、王妃サーセイ・ラニスターとしては、ロブ・スタークをそれにぶつけるという手もあったでしょう。
ただし、それはきわめて合理的な統治者が行うことであって、抑止力として手付かずの北部諸侯と、弟ブラン・スタークが居るとはいえ、ジョフリー・バラシオンはそれでもエダード・スタークを処刑し、ロブ・スタークを捕らえるかもしれませんから、リスクが高すぎです。
また、ジョリーをはじめ多くの家臣を討たれ、父エダード・スタークの名誉を汚したサーセイ・ラニスター、ジョフリー・バラシオンに対して、心情的にも臣従はできないでしょうし、なにより北部諸侯からの尊敬を失います。
なので、先祖のトーレン・スタークのように膝を屈することは、やはり難しいでしょう。
シオン・グレイジョイを手元に置き続けれいればよかったのでは?
これは完全に結果論です。
兄弟同然に育ち、「俺の父はエダード・スタークだ」とまで言うシオン・グレイジョイを疑う冷酷さを求めるのは酷でしょう。でも、王には必要な資質なのかもしれません。
戦略的に、鉄諸島のグレイジョイ家が味方に付けば、ラニスター家に対してより優位になることは確かですから、目先の戦だけでなく、ロブ・スタークは広い戦略的視野を持っていたことになるでしょう。
ベイロン・グレイジョイの唯一残された息子シオン・グレイジョイを使者とし、シオン・グレイジョイを開放し、ベイロン・グレイジョイを鉄諸島の王と認めるというまことに寛大な交渉カードを切ります。
ただし、ベイロン・グレイジョイの性格を理解していなかったため、この決断は凶と出ます。
グレイジョイ家と同盟と行かないまでも、シオン・グレイジョイを手元に置いておくだけで、ベイロン・グレイジョイの北部侵攻を思いとどまらせ、ベイロン・グレイジョイが中立であることに満足しておけば、グレイジョイ家による北部略奪やウィンターフェル城陥落は防げたはずです。
それどころか、北部侵攻を思いとどまるベイロン・グレイジョイは、その矛先をラニスター家に向けるかもしれません。
また、シオン・グレイジョイもロブ・スタークの傍にいる限りは裏切らないでしょうし、相談相手になったはずです。
ジェイミー・ラニスターを捕縛した時点で、北部へ帰還すればよかったのでは?
ロブ・スタークは、緒戦でジェイミー・ラニスターを破り、捕虜にすることに成功します。
この時点で北部へ帰還し、サーセイ・ラニスターと交渉すればよかったのではないでしょうか。
これも結果論ですが、父エダード・スタークは処刑され、ロブ・スタークは北の王に推戴されるものの、戦の目的を失っていきます。
母キャトリン・タリーの言い分を押さえつけ、妹サンサ・スターク、アリア・スタークが危険にはなるものの、北部へ帰還し隠然たる独立勢力になれば、良かったと思います。
戦を始めるのは簡単ですが、終わらせるのは難しいとはよく言われることです。
ただし、母キャトリン・タリーの意向もありますし、ロブ・スタークは北部に戻ってしまったら、母の実家であるリバーランドはラニスター家とグレイジョイ家にやられてしまいかねません。
何かを見捨てる冷酷さが必要ですが、ロブ・スタークにはそれがありません。
タリサ・マイゲアと結婚するのだけは本当にいただけない!
タリサ・マイゲア 画像引用元:amazonプライムビデオhttps://www.amazon.co.jp/Prime-Video/
ロブ・スタークは戦場でタリサ・マイゲアと出会い、惹かれ、あろうことか結婚してしまいます。
これは本当にいただけない。
ロブ・スターク最大の失敗です。
ウォルダー・フレイとの約束を破ってしまった
ロブ・スタークは、トライデント河を渡るために、双子城城主ウォルダー・フレイと約束を交わしました。その一つがウォルダー・フレイの娘とロブ・スタークが結婚すること、です。これを破ってしまいました。
ウォルダー・フレイは諸名家ではないが、リバーランド有数の実力者です。北部へ向かうためのトライデント河を渡るには、ウォルダー・フレイの双子城を通る必要があります。フレイ家とスターク家では格は違うかもしれませんし、政略結婚なので乗り気ではなかったかもしれませんが、このタイミングで裏切るべきではありませんでした。裏切るにしても、せめてトライデント河と渡河するまでは待つべきでした。
タリサ・マイゲアの出自が怪しすぎる
タリサ・マイゲアはヴォランティスの出身、レディだと言いますが、本当かどうかはわかりません。名家に通じているキャトリン・タリーも「ごめんなさい、わからないわ」と言うほどです。
どこの誰なのかわからないし、スパイかもしれません。
こんな女に近づくとは、ロブ・スタークは迂闊すぎます。
ゲームオブスローンズのドラマではこの程度の情報しかありませんが、原作小説では、ラニスター家の旗手の娘という設定です。まさにハニートラップですね。
ゲームオブスローンズの医療従事者は皆顔を隠しているのに、1人だけこれ見よがしに顔を晒しているなんて怪しすぎます。
結婚ではなく愛人でも良かったのではないか
同様に、タリサ・マイゲアがレディである保証もありません。
スターク家の奥方として正式に婚約しなくても、愛人でも良かったのではないでしょうか。
それでタリサ・マイゲアが突っぱねるならそれまでです。真のレディなら政略結婚と愛は別物だと知っているはずですし、断るなら愛してないというわけです。
恋に落ちたから結婚を申し込むロブ・スタークはロマンチスト過ぎますし、それを受け入れるタリサ・マイゲアも身の程を知れという話です。
ウォルダー・フレイにしてみれば、婚約を破棄され、どこの馬の骨かも知らない女を正室に迎え入れたロブ・スタークの行為(キャトリン・タリーの黙認も)は、許しがたい侮辱です。
婚姻とは同盟であり、スターク家と結ぶということはラニスター家を敵に回すということです。騎士も兵も同行させました。にも関わらず、一方的に婚姻を破棄するのは信義に反する行為です。
ただし、ウォルダー・フレイは結局裏切った可能性が高い
ただ、ウォルダー・フレイは名誉を重んじず、子供の命も重んじません。
ロブ・スタークの旗色が悪くなり、ラニスター家の調略が及べば、娘一人犠牲にしたところで「釁られた結婚式」を起こす可能性は高かったでしょう。
“キングスレイヤー”ジェイミー・ラニスターを処刑すればよかった
ロブ・スタークは、“キングスレイヤー”ジェイミー・ラニスターを捕虜にしますが、交渉の申し出はタイウィン・ラニスターに拒絶されます。
この時点で、ジェイミー・ラニスターを処刑しておけばどうでしょうか。
跡継ぎを失ったタイウィン・ラニスターは怒り狂い、サーセイ・ラニスターは手元に居るサンサ・スタークを殺すでしょう。まさに、ラニスターは借りを返す、です。
サンサ・スターク、アリア・スタークを取り戻す材料を失ったキャトリン・タリーとの仲は最悪になるでしょう。
リカード・カースタークを処刑しなければよかった
戦で息子を失い、ジェイミー・ラニスターによってもう一人息子を失ったリカード・カースタークは、ジェイミー・ラニスターの処刑、そして捕虜にした14歳のマーティン・ラニスターとウィリアム・ラニスター(タイウィン・ラニスターにとって父の弟のひ孫。つまり親戚だが、重要ではない)の処刑を要求します。
が、ことごとく阻止されたため、独断でマーテン・ラニスターとウィリアム・ラニスターを殺害します。
そこで、ロブ・スタークはリカード・カースタークを処刑しますが、それによってカースターク家の軍勢が離脱し、ロブ・スタークの軍勢は半分程度まで減ってしまいます。
命令違反をしたリカード・カースタークに何らかの処罰は必要ですが、リカード・カースタークを処刑せず、カースターク軍を手元に置いていれば、ウォルダー・フレイを頼らずともキャスタリーロックを落とせたでしょう。
なにより、マーティン・ラニスターとウィリアム・ラニスたーを復讐に燃えるリカード・カースタークに与えておけばよかったでしょう。ここでも、タリサ・マイゲアがの影がちらつきます。
キャスタリーロックを狙わず、北部へ帰還すればよかった
リカード・カースタークを処刑し、カースターク軍が離脱したことで軍勢が半減しましたが、ここで北部帰還ではなく、逆にキャスタリーロックを攻めることを考えます。(タリサ・マイゲアのせい)
キャスタリーロックを攻めるためには軍勢が必要で、失ったカースターク軍の代わりを補充するためにウォルダー・フレイの協力を仰ぐ必要があり、叔父エドミュア・タリーとロズリン・フレイの結婚、そして釁られた婚儀につながります。
がら空きになったキャスタリーロックを攻めるのではなく、北部へ帰還していれば、少なくとも死ぬことはなかったでしょう。
婚儀も無いですから双子城にとどまることも無く、通行料を支払うか、トライデント河を別の方法で渡河すれば、ウィンターフェルに帰還し北部の王として自立できたはずです。
北の王ロブ・スタークの失敗まとめ
最終的には釁られた婚儀にてその生涯を終えますが、タリサ・マイゲアとの一件が最大の失敗だったように感じますが、実際には捕虜の扱いの不味さと、本拠地を襲われ、厭戦気分が漂い、ラニスター家による調略の手が伸びたことが敗因だと思います。
かといって、タリサ・マイゲアと結婚せず愛人にし、妹サンサ・スターク、アリア・スタークを見捨ててジェイミー・ラニスターを処刑し、14歳のマーティン・ラニスターとウィリアム・ラニスターを処刑していたら、とんだ極悪人になってしまいます。(極悪人じゃないと生き残れないのですが。)